この記事は主に自戒を込めて書いたクソ記事である。
中庸とは
>中庸(ちゅうよう)とは、儒教において、「四書」の一つであり、またその中心的概念の一つである。
略
>『中庸』の「中庸」[編集] 「中庸」の『中』とは、偏らない、しかし、決して大小や上下の中間を取りさえすればよいという意味ではない。よく、「中途半端」や「50対50の真ん中」と混同されている。中間、平均値、足して2で割るというものではない。常に、その時々の物事を判断する上でどちらにも偏らず、かつ通常の感覚でも理解できるものである。 中庸の徳を常に発揮することは聖人でも難しい半面、学問をした人間にしか発揮できないものではなく、誰にでも発揮することの出来るものでもある。恒常的にいつも発揮することが、難しいことから、中庸は儒教の倫理学的な側面における行為の基準をなす最高概念であるとされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/中庸
現在の世の中はどうでもいい情報が多すぎる
私にはやりたいことは山のようにある。例えばDeepmind社のAlphafold2が驚異的なタンパク質構造の予測精度を叩き出したアルゴリズムの理解とか, 機械学習の勉強だとか, これらを取り入れた新たなアルゴリズムの開発だとか, である。
しかし世の中には私の心を乱すものに満ち溢れている。
例えば日本政府はコロナウイルスの感染者数がこれまでに無いペースで増加中であるにも関わらずGo Toトラベルキャンペーンを継続する方針を打ち出している。この背景には縦割り主義・前言撤回が許されない雰囲気など, 日本の弱点が見え隠れする。
また環境に優しいメガソーラーを設立するために韓国・中国・オランダ系の外資企業により各地で森林が伐採されている。本末転倒もいいところである。
これら一つ一つを真面目に考えだすと腹が立ってくる。日本をどげんかせんといかん。実際twitterを見れば大学教授のような賢い方々を含め皆さん怒りまくりである。
しかし腹を立てたところで私に何ができるであろうか?
例えば私にきゃりーぱみゅぱみゅのように多くのファンが居れば, 黒川検事長の定年延長問題に一言申すことで(文春砲の助けを得つつ)検事長を辞職させることができたかもしれない。またデモ活動を起こすほどのエネルギーがあれば社会的なムーブメントに繋げていけるかもしれない。
しかし悲しいかな, 私にはそんな大量のファンは居ないし, デモ活動なんて面倒なこともやりたくない。従って私が日々のニュースに心のエネルギーと時間を奪われていてもただ無駄なだけである。私がやるべきなのは研究を頑張って世の中に貢献することであり, 世の中の荒廃を徒に嘆くことではない。
そこで「中庸のすすめ」を自戒としたい。要は大事ではないことに対しては見ざる聞かざる言わざるを決めこみ, 徒に心と時間を消耗せずに生きていこうということである。
かのローマ帝国16代皇帝・マルクス・アウレリウス・アントニヌスも自著の「自省録」で以下のように言っている。マルクス・アウレリウス・アントニヌスの名言はめちゃ多いのだが今の我々にも突き刺さる言葉が多い。是非調べてみてほしい。
It is in our power to have no opinion about a thing, and not to be disturbed in our soul; for things themselves have no natural power to form our judgments.
MEDITATIONS, 6.52
(我々には物事に関する意見を持たない権利がある。また心を乱される必要もない。物事自身は我々の意見を求めては居ない。)
ニュースサイトをブロックする
中庸を誓ったとはいえニュースを見れば腹が立つのは必然である。「今日も国民の皆様は楽しく平和に過ごしました」みたいな平々凡々としたものはニュースにはならない。人々の感情を揺さぶり閲覧数・視聴率が稼げるものが主にニュースになる。
そこで一切ニュースを見ないことにした。具体的には主要ニュースサイトを以下に記載のアプリでブロックし, アクセスできないようにした。これが意外と困らない。大統領選のように大事なニュースなら絶対何らかの経路で情報が入手できる。
またTwitterのフォロワーも0にした。Twitterはネガティブな意見が拡散しやすく他人のツイートを見ることは危険である。そこまでやるなら別にtwitterをやめてもよかったのだが, その時思ったことをメモするのに便利なので残してある。
テレビは元々殆ど見てないので問題ない。
もしどうしてもある問題に対して中庸でいるのが困難な場合は「自分にできる範囲のこと」だけを素早く済ませ, その後はその問題を忘れてしまうようにしたい。例えば政治に意見があるなら投票に行く, メガソーラーに反対するなら反対団体に寄付するなどである。
今の所中庸を意識することで①心の安定, ②本業に割く時間の増加が得られておりいいことづくめである。昨今の情勢に疲れている方は真似してみてはいかがだろうか。
情報断ちにおすすめアプリ
以下に情報断ちに利用したアプリを記載する。副産物として①デジタルデバイスの使用時間を確認可能, ②およびそれによるデジタルデバイスの不必要な利用時間の削減, が得られているのでぜひおすすめしたい。
Android
AppBlock
スマホアプリおよび特定のアドレス閲覧に制限をかけることができる。私はニュースサイト・動画サイト・SNSのアドレスをブロックしている。その他にもスマホ内の娯楽アプリ(ゲーム・ブラウザなど)を一日20分以上起動するとブロックがかかるようにしている。
フリーでも使用可能だが登録フィルター数に制限があるので私は年間2000円を払って有料会員になっている。不要な情報によって得る精神的・時間的損失は2000円より確実に多いので安いものだと思う。
Mac OSX
1Focus
このアプリも前述のAppBlockと同様にアプリ起動・特定のアドレスへのアクセスを制限できる。同じくニュースサイト・動画サイト・SNSのアドレスなどをブロックしている。
一応フリーでも使えるがなんらかの制限があったはず。私は2000円(記憶が定かではない)程度支払って購入した。買い切り購入式(サブスクではない)のでコスパが良い。
iOS
スクリーンタイム
OSに搭載のスクリーンタイムを用いてiPad上のブラウザ使用にロックをかけている。これによりiPadでは電子書籍や論文を読む程度のことしかできない。詳細は以下のサイトが参考になった。
http://www.maria-hill.jp/15294959907981
News Dietを読んだ (追記: 2021/06/01)
この記事を書いてから以下のような本が出版されていたようである。要約すると「ニュースなんか見てもお前の人生には何も関係ないし、ネガティブなニュースばかり見せられて腹が立つし、時間のムダで、しかも頭が悪くなるからやめておけ」という本である。
この本ではニュースがいかにカスであるかを大量の項目を挙げて力説しているのだが長すぎていちいちを覚えているわけではない。しかし確かにニュースをやめたことでいい影響が沢山あったのは実感している。
大量の項目の中で, なるほどと思ったところをメモとして以下に書いておく。(意訳なので原著はここまでキツイ言い方はしていません。あしからず)
- 「ニュースを見ておけばよかった〜」と思ったことがあるか?ないならニュースを見るのをやめろ。
-> ほぼない\(^o^)/ - ニュースばっかり見てるとニュースの情報をさばく能力が上昇するがその他の脳の機能が落ち, 長時間集中できなくなる
- 悲惨なニュースにお前が胸を痛めても何も役に立たない。感傷に浸る暇があるなら寄付でもしろ
- テロリストが殺害する人間は交通事故よりわずかにも関わらず恐怖を煽ることができるのはメディアのおかげとすら言える
- 覚えているニュースを使って年表を作ろう。殆ど覚えていないはずだ。