本土ヒラタクワガタ飼育記:ブリード編

コロナによる在宅勤務中に貴重な地元産ヒラタクワガタを捕獲した。せっかくなのでブリードに挑戦することにした。

2020/08/25 ヒラタ♂捕獲

もう採集シーズンも終りに近い8月末, 15年ぶりくらいに気まぐれで近所の雑木林に出撃した。

河川敷沿いのクヌギから樹液独特のニオイが漂っていたので覗いてみると根本付近の樹液溜まりに約4cmのヒラタ♂と約7cmのカブト♂が居た。このあたりでは貴重なヒラタにテンションが上がる。

この樹液溜まりには6cm程のボクトウガの幼虫も生息していた。「コンスタントに樹液を出すようなキズはボクトウガにより形成される」という話は聞いていたが, それを実地確認することができた。

この日は別の木でも小さいコクワ♂を採集して帰宅。

カブトは約7cm、ヒラタは約4cm、コクワは約3cm。
しょぼいと思うかもしれないがこのあたりでは4cmのヒラタでもまあまあ大きい

2020/08/25 ねんがんのヒラタ♀をてにいれたぞ

残念ながら前日のカブトは翌朝にもう死んでいた。脚が一本腿節から脱落し穴が空いていたので失血死かもしれない。まあ8月下旬だしカブトはそろそろ寿命だね。

本日は地元産ヒラタのブリードに挑戦すべく, ♀を求めて連日の採集に繰り出した。

前日の樹液溜まりにはゴキブリ・ナメクジ・ゲジゲジあたりの雑虫が群雄割拠しておりうげーと思ったが, よく見るとその中にクワガタらしい物体が居る。取り上げてみるとなんと念願のヒラタ♀であった。wikipediaにはヒラタはナメクジと同居しているケースが多いと書いてあったがその通りであった。

ちなみにヒラタの♀は♂と比べてあまり樹液採集では採れないらしい。この日以降何度もこのポイントを訪問しているが一度も採集できていない。ラッキーだった。

捕獲したヒラタは符節は全部残っており元気なものの, 上翅の擦れ・顎の欠けから越冬個体かなという印象。あまり産卵には期待できないかなあ…と思いつつ産卵セットを組む。

この日は先日コクワを捕獲した木の枝先でノコギリクワガタも捕獲できた。コクワも全く同じ場所に居たので樹液が出ているのかもしれない。昼に行けば確認できるだろうがスズメバチが怖いのでやらない。

また別のポイントの小さいウロから小さいヒラタ♂(3cm, 画像左下)も捕獲した。子供のときは見落としていたが意外と地元にもヒラタが居るのかもしれない。

今回の目的はヒラタ♀だけなので他の個体はゼリーを一晩食わせてリリースした。頑張って厳しい生存競争を勝ち抜いてほしい。

2020/08/28 はいはいコクワコクワ

先日のヒラタ♀が越冬個体っぽく産卵に期待できないため, 別の♀を探しに出かけたが成果はゼロ。途中で大きそうなドルクス系のクワガタを見つけるも巨大コクワだった。はいはいコクワコクワ。

このコクワに近い木のウロの中ではヘビがトグロを巻いて寝ていた。帰宅後にググってみたところ, どうもマムシらしい。この件移行はスニーカーに長ズボンというきちんとした格好で採集に出かけるようにしている。(更にゴム長靴をはけばベストだろう)

巨大コクワがモタモタしている間に左上のチビコクワがちゃっかり♀をゲットしていた。強いものが常に生存競争に勝てるわけではないらしい。人生の勉強になる。

2020/08/30 産卵セット

オオクワキングさんでカワラタケブロックと産卵飼育マットを購入。中ケースにカワラタケブロックを産卵飼育マットで埋め込んだ産卵セットを組んだ。4cmの♂では♀殺しはないと判断し同居させる(しかし指を挟ませてみたところ普通にクソ痛かった)。

産卵木を使うか迷ったがどうせヒラタはマットに産むし, また顎が欠けた♀に産卵木を削らせて無駄な体力を消耗させるのは良くないということで今回は菌床産卵セットとした。

♀はゼリーを食っており潜る気がなさそう。ガス抜きをしていないため環境がお気に召さないのだろうか。

2020/09/01 ♀潜る

2日経ってメスがようやく潜るようになった。マットのガスが抜けて環境が良くなったのかもしれない。あとはこのスレた越冬個体の♀に卵が残っているのかどうか。

2020/09/02 卵発見

なんと早くも側面に卵を発見した・どうせ産まないだろうと思っていたのでとても嬉しい。あとは無精卵でないことを祈る。

2020/09/10 卵続々と発見

♀はゼリーも食わずバリバリ産卵中である。なお♂はバリバリとゼリーを食べることしかしていない。嫁が産卵中だというのに男とはそんなもんか。

この日までに6つも卵を確認した。日に日に膨らんできているのでおそらく無精卵ではない。しかし8月末に採取した顎欠け越冬個体がこんなに産むとは思っていなかった。

長命かつ肉食のヒョウタンクワガタは4年も生きてダラダラと産卵し続けるらしい。同じく長命のヒラタやオオクワガタも適切な栄養摂取により卵を体内で新たに作り出せるのかもしれない。

2020/09/11 ♀地上に出てくる

♀が地上に出てきて♂と仲良くゼリーを食べていた。産卵期間は終了したのだろうか?

2020/09/12 ♀ふたたび潜る

♀は再びマットに潜り始めた。昨日はただ単に体力を補充していただけか。

面白いことに, ♀は産卵済みの卵のかなり近くまで穿孔するのだが, 卵は一つも潰されていない。メスには卵の位置がフェロモンか何かで分かるのだろうか?お構いなしにぶっ潰して周るカブトムシとは大違いだ。

2020/09/14 ♀ふたたび産卵を開始する

また新たに卵が産み付けられていた。最初の卵を確認したのが2020/09/02なので2週間のラグがある。ヒラタクワガタはダラダラ産むタイプのようだ。

余談だが最近も採集に出かけているがシーズンも終わりに近くめぼしい成果はない。2020/8/25に逃したヒラタ♂が本日も同じウロに入っていた。飛翔性が高いカブトやノコとは異なり, 潜洞性で寿命も長いヒラタは自然下でも何回も再開できるチャンスが有る。

2020/08/28にコクワまみれだった木の樹液は枯れてしまった。樹液を出していたキズはボクトウガではなくカミキリムシかスズメバチによってつけられた浅いものだったのだろう。近くで採集をしているとスズメバチがライトに向かって突進して来るのでおそらくスズメバチの仕業かと思う。

2020/09/17 一匹目孵化

一匹目の幼虫が孵化した。卵を確認した9/2から数えてほぼ2週間である。卵で割り出すのを防ぐため, その他の卵が孵化する9月下旬〜10月上旬頃に割り出すことにした。


ところで親虫を捕まえた木はまだ樹液を出しているが, 住人はコクワになっていた。弱っちいコクワが入るぐらいだからヒラタはもうこの辺に居ないのだろう。また来年に期待したい。

2020/09/21 まだ産卵中

本日新たな卵が産み付けられているのを確認した。もう初令幼虫が見えているのにまだ産むつもりらしい。この卵が孵化するまで放置していると大きくなった兄弟に破壊されかねないので, 卵で割り出してやらないとダメかもしれない。

2020/10/9 割り出し結果 幼虫20匹 卵4個

2齢幼虫が見え始めたので割り出しを実施した。結果は幼虫20匹, 卵4匹とまずまず。根食い系らしく多くの幼虫が菌床ブロックとマットとの境界線に居た。

菌床ブロックは♀によって全く削られておらず, またブロック内に幼虫が穿孔した形跡もなかった。ヒラタはカワラタケはあまりお好みではないのかもしれない。

とりあえず貴重な地元産ヒラタの幼虫が確保できたので, 今後は「幼虫飼育編」に突入する。乞うご期待。

幼虫は菌床ブロックとマットの境目に大部分がいた。

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