AutoDockでドッキング計算をする

目的

  • AutoDockを用いたドッキング計算方法の流れを理解する

AutoDock Vinaを選定した理由

参考

チュートリアル(公式のチュートリアルは更新日が2009年と古いのでこちらのほうが良いと思う):https://sites.ualberta.ca/~pwinter/Molecular_Docking_Tutorial.pdf

理論的背景:http://autodock.scripps.edu/faqs-help/tutorial/using-autodock-4-with-autodocktools/UsingAutoDock4WithADT.ppt.Handouts3pp.v3.pdf

必要なツールのセットアップ

必要なツールは本来Pymol, Autodock4, Autodock MGL toolsの3つ…なのだがAutodock MGL toolsのGUIはAutoDock Vinaの時と同様にMac OS Catalinaで動かない

AutoDock Vinaの時と異なり, AutoDockに対応したサードパーティのソフトウェアが無さそうなのでDockerを使って無理やりAutoDock ToolsをMac上で動かすことにした。

AutoDock4

開発元からダウンロードした。ダウンロードには登録が必要。商用利用も可能みたいですがその際は各自でよく調べて下さるよう願います。

Chimera

Chimera本体をインストーラからインストールする。

Pymol

元々Macに入っていたので割愛。

AutoDock MGL tools

Linuxを使っている人だったら簡単にインストールできると思う。私はMac OSX Catalinaを使っておりGUIが動かないのでLinux版をDocker上で動かす

計算の実施

計算の流れは大まかに以下のようになる。最初だけAutoDock Vinaと一緒だがあとは大きく異る。

  1. まずligandとreceptorに水素原子と電荷を付加し, pdb形式で書き出す。
  2. Grid parameter fileを作る(.gpfファイル)
  3. AutoGrid4(解凍済みのAutoDockのフォルダに入っている)を用いてマッピング情報を生成。
  4. Docking parameter fileを作る(.dpfファイル)
  5. AutoDockを実施

(Pymol) 計算対象のリガンドおよびタンパク質をPDB形式で書き出す

今回はAutoDockの計算結果をAutoDock Vinaの結果と比較したいので, 前回の記事と同様にSARS-Cov-1のMain protease(PDB ID: 2GZ7)をターゲットタンパク質とした。タンパク質の前処理は以前の記事と同様なのでそちらを参照いただきたい。

(MGL Tools) 計算対象のタンパク質とリガンドに前処理を実施

ここからが大分異なる。基本的にはチュートリアルを参照いただきたい。基本的に流れに沿っていけばシミュレーションはできるはず。以下には要約だけ記す。

  1. Grid parameter fileを作る(.gpfファイル)
  2. AutoGrid4(解凍済みのAutoDockのフォルダに入っている)を用いてマッピング情報を生成。
  3. Docking parameter fileを作る(.dpfファイル)
  4. AutoDockを実施

(AutoDock) ドッキングを実施

以下のコマンドでAutoDockを実行。

/(path_to_autodock)/autodock4 –p autodock.dpf –l autodock.dlg &

計算結果はdlgファイルとして得られる。pdbqtファイルに変換するには以下のコマンドを用いる(参考)。計算結果のpdbqtファイルはPymolで可視化できる。

grep '^DOCKED' my_docking.dlg | cut -c9- > my_docking.pdbqt
Code language: JavaScript (javascript)

AutoDock Vinaと同じく結晶構造を精度良く再現できている。この系はのリガンドは電荷を持たないのでAutoDock VinaでもAutoDockでも大きな差異は生じていないが, 今後は電荷の大きな系で精度を検討してみたい。

さて, ここまで見てきたようにAutoDockではグリッドを切ったりファイルを作ったりと前処理の段階が色々と煩雑である。pdbqtファイルを作ってボックスサイズを決めるだけでシミュレーションが投入できるAutoDockと比べると体感で5倍くらいはめんどくさい。

従ってAutoDock Vinaで十分精度が出る系だったらもうそれでいいんじゃないかという気がする。計算も早いし。電荷の大きな系に関してもまずはAutoDock Vinaを検討してそれでダメそうならAutoDockに移行するのが良いのではないか。

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